金沢大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL)は先端科学・社会共創推進機構内に組織されており、事業化ならびに商品化を目指した学内教職員による研究の支援や学生の起業マインドの醸成および個別提案に対するコンサルティングなど、学内の知見・発想が社会と連携し、また社会のニーズに対応できるようにすべく、先端科学・社会共創推進機構内の各グループとともに連携しながら活動しています。
上記目標を達成するために、VBLは以下のような活動を行っています。
まず、学生の初期教育として共通教育科目「アントレプレナー学入門」を開講し、起業 において必要となる基本的事項の解説に始まり、起業経験を持つ講師の招聘を通じた応用的な観点からの授業によって起業マインドの醸成を行っています。
また、実際に起業を志す学生を対象にしたアントレプレナーコンテストを実施し、具体的な提案内容の事業化プランの競い合いを通じたアントレプレナーの養成を試みています。アントレプレナーコンテストに付随してアントレプレナーセミナーを実施し、VBLスタッフおよび学外講師による起業に関連する社会的な情勢や支援体制の現状、ならびに各ビジネスプランに対する具体的な助言やプレゼンテーションの改善などの支援を行っています。
学内教職員に対しては、 ベンチャービジネスの萌芽となることが期待できる独創的な研究開発プロジェクトの推進のための支援を行っています。具体的には、プロジェクト研究を推進するための施設内研究室の貸出しやその中から選ばれた研究プロジェクトについて博士研究員の雇用による事業化の促進を支援しています。
また、VBL利用者に限らず学内教職員に対して、VBLが管理する機器を利用した研究推進を支援しております。X線開設装置、FE-TEMのような従来からの機器に加えて、3次元プリンター、赤外線 サーモグラフィー、微量粒子解析装置の導入を進めています。
上記以外にも、ベンチャービジネスや起業関連情報をVBLのウェブサイトに掲載するなど、学内の皆様がお持ちのシーズを社会のニーズに見合うように展開し、 それを外部に発信して企業化に結び付けるために、少しでもお役に立てるような活動を行っています。学内外の皆様のご理解とご協力により、企業のニーズと大学の シーズによる優れた共同研究が活発に行われ、その中から金沢大学発の研究成果が多数生まれ、知的財産として社会に広く還元されるとともに、次世代の アントレプレナーが生まれることを期待しています。
皆様には本施設をご利用いただき、本学発の事業や製品への成果が生まれることを願っております。ご支援ご鞭撻をよろしくお願いいたします。
べンチャー・ビジネス・ラボラトリー長/インキュベーション施設長 長谷川 浩
金沢大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(以下,VBL)は,若手研究者等の知的活力を最大限に活用し,ベンチャー・ビジネスの萌芽となるべき独創的な研究プロジェクトを推進するとともに,高度の専門的職業能力を持つ創造的な人材を育成することを目的に,平成16年に「人間・環境システムの解析・設計技術の研究開発」の研究発信基地として設置されました。
平成24年4月には,部局等を超えた学際的融合新領域の創出により金沢大学における教育研究の一層の高度化を推進し,かつ基礎研究から応用研究まで一貫した研究支援と産学官連携による研究成果の社会還元を促進し,金沢大学の教育研究の活性化と社会貢献に資することを目的とし,フロンティアサイエンス機構,イノベーション創成センター,インキュベーション施設およびVBLを統合し,「金沢大学先端科学・イノベーション推進機構」(研究戦略・企画調整グループ,研究推進グループ,プログラムコーディネートグループ,産学官連携・知財推進グループ,地域イノベーショングループの5つのグループ及びインキュベーション施設・VBL)に改組再編されました。
さらに,平成30年には地域連携推進センターと先端科学・イノベーション推進機構が統合し「先端科学・社会共創推進機構」となりました。
「大学発ベンチャーを3年間で1000社創出」の達成目標の実現に向け,国立大学等におけるインキュベーション機能の強化を目的として,平成13年度補正予算で,全国の国立大学13校に「インキュベーション施設」が設置されました。北陸地区では金沢大学に設置され,平成15年4月より本格稼働しております。
金沢大学における産学連携業務の推進及び本学のシーズ(本学に属する知的財産権及び本学研究者の研究成果)を活かしたベンチャー起業育成のため必要な場を提供することを目的としております。