123.幼児教育に学ぶ

123.幼児教育に学ぶ

- 幼児の未来はみんなの未来 -

はじめに

 アクティブ・シニアはいかに生きるべきかを考えて、その方法として122 過去の中に未来を見るでは幼児期記憶を思い出しそれをもとに過去の書物を読み新しい未来を拓こうとまとめました。その過程で日野原 重明氏の「明日をつくる十歳のきみへー103歳のわたしから」なる本に出会い、大変感激しました。この本が書かれたのは2015年です。 日野原氏そのしばらく後の2017年に105歳で亡くなられました。今回はこの本と、「子供を「伸ばす親」と「ダメにする親」」から幼児教育の基本を学び、それを毎日の生活に生かしながら、その成果をアクティブ・シニアの学習に取り込む方法を検討しました。

明日をつくる十歳のきみへ

 日野原氏の著書「明日をつくる十歳のきみへ」には図1にあるように次の5つのことが書かれています。
1. 「いのちの授業」で私が教えていること
2. 時間の使い方を知ってください
3. 目に見えないものの大切さ
4. 科学の良い使い方と悪い使い方
5. いくつになっても夢を持とう

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図1 明日をつくる十歳のきみへ
 
出典 日野原重明(2015)『明日をつくる十歳のきみへ』冨山インターナショナル 目次を参照して作成
図をクリックすれば詳細図が見られます

1 .「いのちの授業」でわたしが教えていること には、いろんな学校で行なってきた「いのちの授業」についてのお話で、子どもたちへの魅力的な授業をどのように行なってきたかが書かれています。読んでいくと小さな子どもたちの興味を引くために日野原氏が指揮する校歌で始まるといった具合です。すでに子供たちが歌いなれている歌を取り入れて、その指揮まで行なっているのですから、いかに子供たちと一体化するかに工夫していたかが分かります。見習うことはそれだけではなく、野球やサッカーといった楽しい話とともに、心臓の大きさはどれくらいと興味のわきそうな難しいテーマにはリンゴの大きさと直感的にイメージが湧きやすい答えを用意していることです。そうした雰囲気をつくりだしておいて、「いのちを大切にする方法は戦争をしないこと」と非常に難しいことをさらりと述べています。十歳くらいの幼い子どもたちにメッセージを伝える素晴らしい方法と感心しました。大切なことは教えることではなく、学ぶ機会を作ることだという感じがひしひしと伝わってきます。ここまでが日野原氏の行なって来られたことのお話です。子どもたちに「自分に興味を持ってもらい、わかりやすく説明し、学習することの重要性を伝える」素晴らしい方法と感心しました。

 どうやらこの本で本当に言いたいことは、その後の項目のようです

2.時間の使い方を知って下さい には子どものころは自分の持っている時間は全部自分のために使ってよいのですが、大人になったら、自分の時間を他人のためにも使ってほしいと書いています。 そしていのちとは自分が自由に使える時間のことだとも書かれています。1963年には日本人の平均寿命は69.7歳でしたがそれから50年後の2013年には83歳となりました。50年間に13年(2割弱)、すなわちいのちが約2割増えたのです。増えた時間のいくらかを他人のために使えば、感謝されることが多くなり幸せが増えると書いています(ここはやる気を起こさせる表現です)。そのうえ、できるだけ多くを他人のために使うべきだと書いています(この辺りは活動の優先順位を変えるだけで、時間は取れると書いているわけです)。また病気になったりすると無駄に時間を費やしたと感ずるかもしれませんが、無駄ではありません。その例として日野原氏の病気で時間を使ったことが今の自分を作ってくれたと感ずることもあると説明しています。「よど号」ハイジャック事件では人質として飛行機に閉じ込められる体験をしましたが、助かった後、これまでは時間は自分のために使ってきたが今後は世話になった人だけでなくどんな 人にも自分の時間を使おうと考えるようになったと書いています。人にやる気を起こさせ、できると思わせる素晴らしい書き方です。

3. 目に見えないものの大切さ では、空気中の酸素は目に見えないが大切だし、その人が死ぬまでに使える時間をいのちとすると、いのちも見えません。体の器官はものですが、いのちはものではありません。お金や財産や地位や名誉もものですがいのちはものではありません。そしてものではなく、いのちが大切と繰り返しています。また人生の過ごし方について、自転車を欲しいから持つというのは「持つ人生」でサッカー選手になりたいというのは「なる人生」と2つに分けています。そのうえで「持つ人生」ではなくて「なる人生」をめざすべきと書いています。「なる人生」は人々の尊敬を受けます。しかし「持つ人生」では達成するとさらに次のものが欲しく なり、これがやがて争いのもとになるとしています。「持つ人生」でなく 「なる人生」を目指しましょうです。

4.科学の良い使い方と悪い使い方 では、自然の力をそのまま使う風力発電についてオランダの土地の1/3は海面下であり500年前から水を掻き出すために風車を使っていました。水力発電も自然の力を使うのですが発電のためのダムをつくるのに広大な土地が必要になります。それに比べると風力発電は風車を使える場所であればいいという利点があります。幼児がこのような自然の力を使う方法を学ぶためには、高度な数式より凧あげをしたり、竹トンボの作り方を学んだり、気球や飛行船では空気より軽いガスをつかいますが、熱気球は浮かせるために温めた空気をつかいますがなぜでしょうか。ヨットがなぜ向かい風でも乗れるのかなどの体験を通じて学ぶ方法が有効と書いています。白熱電球からLEDで実現した電気をあまり使わない「いい科学」だが、原子力発電は人の多くの人のいのちを奪う原始爆弾にもつながり「悪い科学」の例として説明しています。そしてこのような「悪い科学の研究を辞めよう」と声を上げてほしいと書いています。

 科学に優れた足跡を残したひとの伝記を読むこととしてレオナルド・ダビンチについて調べてみることを薦めています。

 危険だとわかっていたらそれだけの覚悟と準備をしておかなくてはいけない例として、御嶽山の噴火の前には地震が続いていたのに、まさか噴火しないと考えたのか、多くの人が登山していました。そして50人を超える死者を出してしまいました。噴火があるか無いかの判断を間違えたのは仕方がないが、目の前の噴火を甘く見てしまい、命を落としたのは、悔やんでも悔やみきれないと書いています。2011年の東日本大震災で分かったように、世の中ではどんな天災が襲ってくることわかりません。そして絶対安全だといわれた原子力発電所も壊れてしまい、放射線被害も出すことになったしまいました。「3人寄れば文殊の知恵」ではないが、みんなで一緒になってどうすればいいか考えようと書いています。

 他にも若い人は人の命を助けるロボットを作ってほしい。みんなで考え戦争をなくしたいなどと意見も書いています。

5.いくつになっても夢を持とう の最後のメッセージは夢は生きがいを与えてくれるので、いくつになっても夢を見ようといったことが書かれています。
 そしてどんなに年をとっても何か新しいことをはじめるのがよい、そのための組織を作ることもある。たとえば「ライフ・プランニング・センター」という組織を作り、「新老人の会」(12000人の会)を立ち上げ、元気づけるための活動をはじめました。「フェイスブック」というサービスを使って「スマート・シニア・アソシエーション(SSA)」という380人のサークルをつくりました。他にもお医者さんの大学を創る夢を持っている。4年のリベラル・アーツを終えてからお医者さんの勉強を始めるようにしたい。この構想はオスラー博士の本から学んだとのことです。

 そして終わりのことばに次のように書かれています。

 この本は、わたくしが今までに百冊以上も書いた医学の教科書や、健康づくりの本や、大人とための人生哲学的な本よりも、ずっと精力的に書き下ろした書物です。わたしは今、「やった」と右手を曲げて、フェイスブックにも出ているポーズをして、映画でいえば「Fin(おわり)」としたいのです。・・・・・自分で書いた最高の本のしあげは、まさにこのガッツポーズです。

日野原(2015)

 自信満々の様子がみてとれました。

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 図2 明日をつくる十歳のきみへ 要約

 確かにこの本は、10歳の子どもでも意味が分かるように、易しく書かれていますが、10歳の子どもが育ってほしい将来に向けての学習内容ですから、 大人の人にもそのまま役に立つことが書かれています。さらには定年後の時間をたっぷり持ったシニアの方には自分の将来の生き方にも、子どもや現役の方とのお付き合いのためにも、大変参考になることが書かれています。まさに生きているすべての人に役立つ日野原さんからの遺言のような本です。

 これ以前に「十歳のきみへー九十五歳の私から」という本も出されています。こちらのほうは日野原さんが十歳だったころのことを中心に書いていますので、十歳の年頃の人はこちらからお読みになったほうが良さそうです。しかし、この記事をお読みなっていると想定している成人以降の人にとっては過去の話です、それより明日のことに興味を持たれていらっしゃる方は「明日をつくる十歳のきみへ」をお読みになるほうが良さそうです。

子供を「伸ばす親」と「ダメにする親」

 一方こちらは、子どもを育てる親にむけての、注意事項が書かれた本です。多くの親にとってはかわいいわが子ですから、仕事で忙しい時も、子どもの世話につかれた時も、できるだけ優しく、しかし子供の将来に向けてのしつけもしなくてはと思いながら行動しているつもりで、子どもを伸ばすのでなく、時に子どもをダメにすることも含まれることがあります。これらの無意識で行なう行動(これを習慣と呼んでいます)を80個 に整理し、次の3章に整理したのがこの本です。

 
 第1章 子どもをグングン伸ばす親の40の習慣       1~40
 第2章 しつけ・ルールを身につけさせる親の」30の習慣  41~70
 第3章 豊かな才能を引き出す親の10の習慣        71~80

 この本の読者は、子どもを育てる親ですが、「明日をつくる十歳のきみへ」と同じく、将来を担う子どもを育てる親に向けて書いているわけですから、子どもにも、親にも、定年後の時間のたっぷりあるシニアの方にも役立つ習慣が80個も載せられているわけです。この中から図2のマンダラ図の一枠に5個づつ書き込んだのが図3子どもを伸ばす親です。この習慣の各項目の頭の数字が元本の習慣の数字でそのあとには習慣を記入してあります。

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図3 子どもを伸ばす親
 

出典 池江俊博(2014)『子どもを「伸ばす親」と「ダメに する親」の習慣』 目次を参考にして作成
図をクリックすれば詳細図が見られます

 一枠に5個を記入したのは特に理由はありません。あまり多いと図が見えなくなりそうと数を限りました。5個の選択は、わたくしの独断と偏見に基づいて行いました。すべてをお知りになりたい方は『子どもを「伸ばす親」と「ダメにする親」の習慣、池江俊博、2014』をご参照ください。この本の目次には「伸ばす習慣」にそれと反対の行動をとる「ダメな習慣」が併記されています。このため、「ダメな習慣」に書かれているようなことをして、子どもを間違えた方向に追い込まないで下さい。本当は 「伸ばす習慣」に書いてあるようなことをしたいんでしょと読むことができます。

 例えば第1章の1つ目の習慣は「子どもを伸 ばす親は、共感してから適切にほめ、ダメにする親は、うまくいかなかったときでもおだてる」です。ほめる教育は大切ですが、ほめることばかりに意識を向けて、ダメな親のように無理やりほめると、不信感をいだかれたり傷つけることになるから注意して下さいと、解説がついています。2つ目の習慣は「伸ばす親」は「自由」を与えることでやる気を促し、「ダメにする親は過干渉でやる気や心の成長を妨げる」です。子供のやる気は「自由と達成感」が与えられることによって育つので、手出しや口出しをしないことだと言っています。こういった方法を自分の子どもや、近所の子どもたち、時には電車であった子ども・その他の子どもと、合った時にも実施し、その反応を見て学んでいけばいいわけです。

アクティブ・シニアの活動

 ここまで、子ども教育に関する『明日をつくる十歳のきみへ』から子ども向けの図2、『子どもを「伸ばす親」と「ダメにする親」の習慣』、から作り出した子どもの親向けの図3を作成しました。しかしその中で述べたようにこの2つの本は、子どもとその親向けに書かれた本ですが、その内容は、世代に関係なく、子ども時代を過ごすためだけでなく、その後「大人、シニア」に育っても問題がないような項目になってているのですから、その後の世代の学習と共通であるはずです。そこでとりあえずこの二つの図を参考にして、シニア向けの活動図をまとめたのが図4アクティブ・シニアの活動(幼児教育に学ぶ)です。

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図4 アクティブシニアの活動(幼児教育に学ぶ)

 しかしながら、図4は子ども向けの視点とその親向けの視点は入っていますが、大人向け固有の視点やシニア向け固有の視点のものは入っていない不完全なものです が問題はありません。その後必要に応じて修正して使うことを前提としています。

 こうして作成したアクティブ・シニアの活動(幼児教育から学ぶ)ですが、これが自分にとってどのような意義があるか、もしくは実現性があるか。問題があるとすればどこかを見つけるのが図5自己紹介図との整合性いわばワークライフバランスの検討です。

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図5 自己紹介図との組織の整合性(ワークラライフバランス)
図面をクリックすれば詳細図を見られます
 

 やることは、二つの図を重ねるだけの簡単なことです。この時不都合がみつかれば、どちらかの図をもしくは両者を修正します。こうしてまずは入手可能な範囲の情報で原案をつくるという目的は達成され実行可能な自分用のものは何とか作れます。このように違った視点から見たものを一つのものとしてまとめて見られるのが1枚ベスト図(私は言いたいことを1枚の図に描く方法を1枚ベストと呼んでいます)です。一度この図を作れば、人生目標に向かって、日々を過ごしながら、時にはこの図を振り返り、必要なら修正をしながら進めればよいわけです。日本にはすでにこのようなことをする場として生涯学習の考え方がありました。

生涯学習について

 こんな場を提供しているところについての参考資料はないかと「幼児教育」をキーワードにして、川崎市立図書館の在庫を検索すると168件もありました、それなら「老人教育」もあるだろうと検索したが該当データはありません(2019年2月1日現在)。しかし老人だけなら1179件、「老人」と「教育」の両方を含んで本は28件ありましたがその多くは複数のテーマを含んだ本でした。一方老人医療は17件ありました(2019年2月1日現在)。すなわち老人は医療の対象だが教育の対象としてはあまり取り上げられていないのではと考えてしまいました。しかしこれは間違いで「生涯学習」で検索すると463件でした。 老人に教育するという考え方自体が間違いようです。「老人」を対象とするときは、「教育」といった仕組が合わないようです。

 生涯学習を言葉通り広くとらえれば、幼児教育も老人教育もすべて取り込めるはずです。

 ということで、日本の教育政策を調べたところ、次のようなことがわかりました。
生涯学習に関する主な変遷(案)によれば注1)
1971年:社会教育審議会の答申「急激な社会構造の変化に対応する社会教育のありかたについて」が出され、日本で初めて公式な立場から生涯教育の概念が 述べられた。
1981年:中央教育審議会が出した答申「生涯教育について」: 生涯教育・社会教育の言葉が定義され、学校教育を含めて教育全体の政策の中心理念となっ た
1990年:中央教育審議会答申「生涯学習の基盤整備について」がだされ、その中で生涯学習は、生活・職業上の向上や自己充実をめざし、自発的意思に基づ いて行うことが基本とされた。
2006年:教育基本法が改正され、次にあげる2つの「生涯学習の理念」が追加された注2)

1.「国民一人一人が、自己の認核を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習でき、その成果を適切に生かすことができる社会の実現が図られなければならない」(第3条)
2.また「家庭教育」に関して、「父母その他の保護者は、この教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るように努めるものとする」(第10条)も付け加えられました。すなわち家庭教育の第一責任者は父母その他の保護者であるということが確認されました。

 老人大学の先駆けとして有名なのは「いなみ野学園」(福地 盛(1990))ですが、いまや生涯学習は多くの大学や地域の組織で行われるようになっています。石川県であれば「石川県民大学」及び「石川県民大学院」です。しかし既存の大学もこの課題に対応しています。

 例えば、金沢大学では、公開講座、ミニ講演などを通じて、市民の皆様に様々な学びの機会、「知」の空間を提供しています。大学キャンパスや金沢大学サテライト・プラザのみならず、H26年度からは、遠隔地配信システムの導入により,金沢大学珠洲サテライト、金沢大学小松サテライトの各生涯学習拠点にも、公開講座やミニ講演等の学びの場を提供しています。新しい自分を見つけ、健康でより生きがいのある人生をおくりたいと考えている方、学んだことを活かして地域課題の解決や地域づくりに参画してみたいと思っている方、あの頃学んだことをもう一度学び直したいと考えている方等、多くの皆様方の受講をお待ちしております注3)。となっています。

 そういえば、私もこのような法律に基づいた活動とは知らず、金沢大学サテライト・プラザで何かお話をしたことがありました。金沢大学サ テライト・プラザは、いろんな人が参加しやすいように、金沢市の中央部分にあり交通の便も良く、駐車場も用意されていたのを思い出します。

あとがき

 はじめにでも述べたように、幼児期記憶を引き出す方法はないかと、調べているときに日野原重明氏の「明日をつくる十歳のきみへー103 歳のわたしから」を読むことになり、その書き方と書かえている内容に感激し、それを何とか生かす方法はないかと、模索していました。その結果図5にあるような、アクティブ・シニア活動と自己紹介図を重ね合わせた一枚ベスト図が出来上がりました。

 そして「生涯学習」とい うヒントも見つけました。

 50年近く前の社会教育審議会の答申の中にあった生涯学習を、今頃引っ張り出してなんだと言われそうですが、約20年前の2016年にようやくそれを取り込み教育基本法が改正されたことを思えば、普及はまだまだと思わざるをえません。

 例えば小中学校のキャンパスやその通学道で発生する「いじめ」問題などを学校の責任として追及している父母がいます。しかし教育基本法の10条では「生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るように努めるのは父母や保護者である」、としているわけですから自分の責任であることを自覚せず、他人を責めていることになります。これらは学校に入学する幼児時代に学んでしまわないと効果が出ない基本的な人格にかかわる項目です。したがって児童の入学前に準備すべきものですから、必要なのは父母や保護者に対する教育であり、それを必要と感ずる親は事前に学習すべき課題ということになります。

 幸い「生涯学習」の中に「子育て・教育」がありますから、相談するのが良いかと思います。相談して適切な「アドバイス」が受けられなかった場合はチャンスです。自分が相談を受ける立場だったらどうするかと考えアイデアを練り、いい アイデアが生まれたら今度は自分が相談役になる「講座」を開設するよう働きかけるという目標が設定することです。こうなれば、生きがいや幸福感が得られる人生が送れるようになります。(問題や失敗は学習のチャンスです)。

 日野原氏の著書「明日をつくる十歳のきみへ」の112ページには「4年間のリベラル・アーツを終えて立派な大人になってから、医者さんの勉強をはじめる大学」がもうすぐできると書いています。早く実現することを祈りましょう。とりあえず、皆さんも(特に育児を行っている皆さんはそのまま使える)図5のような自分の夢と、自分が最も重要と考えている環境(多くは関係している組織)の現状を1枚の図にまとめ、いのちの目標を作り、生涯学習の中で実現を目指すのはいかがでしょうか?(与えられるのを待つ教育でなく自ら始める学習です)


1) 生涯学習に関する主な変遷 資料4 https://www.city.kashiba.lg.jp/kyouiku/cmsfiles/contents/0000001/1058/files022552.pdf
2) 教育基本法 http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/06042712/003.htm(20190207 アクセス)
3) 金沢大学_生涯学習_知との出会い http://www.crc.kanazawa-u.ac.jp/crc/continued-learning/lifelong-learning2(2019/02/06  アクセス)

参考文献
池江 俊博 (2014) 『子どもを「伸ばす親」と「ダメにする親」の習慣』 明日香出版社
日野原 重明(2015)『明日をつくる十歳のきみへ』 冨山インターナショナル
福地 盛(1990)『いなみ野学園』 ミネルヴァ書房

2019/02/08
文責 瀬領 浩一