人と地域のWEBマガジン ISHIKAWA DRAWER

Eat2016.06.15 UP

嗜季

「どんなお料理を出すお店とお伝えしたらいいですかね?」の問いに対し、
料理長の今井友和さんから返ってきたのは「ひねくれた日本料理ですね」の言葉。
日本料理のセオリーを守りつつ、創意工夫を凝らしたひと皿ひと皿が、
日々訪れる客を楽しませている。

 

取材時に出していただいたのは、コースの始めに提供する先付。
とうもろこしのすり流しとともにいただく玉子豆腐には、
からりと揚げたとうもろこしのひげが添えられている。
「ひげって食べられる!?」と一瞬驚くが、口に運べば納得。
香ばしさがアクセントとなり、全体の甘みを引き締めているのが分かる。

 

見た目にも涼しげな「ハモ落とし トマトと満願寺の梅肉和え」。
通常、ハモは氷水で落とす(締める)ことが多いというが、水ではなく出汁を用いるのが嗜季流。
出汁によって引き出されたハモの旨味と、梅肉やトマトの爽やかな酸味と甘みが相まった、
豊かな風味と季節を感じさせる風流な一品だ。

 

思わず「次は何が出てくるんだろう?」と期待が膨らんだ、嗜季の料理。
カウンターで仕込みをしていたお店の方が、
味見をした瞬間に目を輝かせて頷いていたのが印象的でした。そりゃおいしいわけです。

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