人と地域のWEBマガジン ISHIKAWA DRAWER

AsukaFood Analyst

雅珠香(あすか)フードアナリスト

日々是消化。言葉でくすぐるストマック。

Person

#03

2016.06.15

じわじわきてます、熱いお店。

新幹線開業後の金沢の飲食シーンで変わったことでいえば、若手の実力派和食が熱いです。新幹線開業の半年くらい前から若手の和食の実力派さんのお店がばーっと増えてきた。これにも理由があって、東京とか京都の有名店さんでひと通り技を習得されたアラサーくらいの世代の方が、この機会に金沢へUターンやIターンで来て出店される方が多いから。実力派で20代後半から30代にかけての方が一気にお店を出された傾向が強いです。初めて出すお店なので、6席とか、8席12席までかな…、自分の目の届く範囲でされている方が多いです。そして、狭いお店なので、自分のこだわりを詰め込める。食材や調理法はもちろんですけど、しつらえとか。金沢のキラーコンテンツは食と工芸だと思うんですけど、店が小さいと器にまでこだわりを持って、買い揃えることができますから。カウンターで6席くらいのお店だったら、自分のこだわりをひとつひとつ詰め込める。そういったところも、金沢の外食のレベルを底上げしてる部分かなと思いますね。新しいお店もどんどんどんどん増えていますし。新幹線開業の1ヶ月前くらいから、食べログのお店がどれくらい増えるかと思って個人的にメモを取っていたんですけど、ここ1年、食べログ上だけですが、石川県で約300件増えました。そのうち、金沢市内で195店舗。この狭い金沢で、かつ食べログに登録されているお店が195店なので、多分300件近く金沢で増えている。それだけ賑わっているってことだと思います。

 

いいお店を見抜くコツですか?私には持論が2つあって、大通りから一本入ったところに静かにのれんをあげているお店に当たりが多いというのと、もうひとつは前菜からめっちゃ凝っているお店です。前菜から「うちはこれだぞ」というお店は、その後のお料理も期待させてくれますし、最初からこの店はすごい!と印象付けもしてくれます。やっぱり、いいお店は前菜からすごく凝ってます。ここ1年、若手さんで好きなのは主計町の嗜季さんとか、木倉町の旬房さかいさん。レベルが高いですね。

 

金沢の料理人さんが大変だなと思うのは、一般の方の味覚のレベルが高いことです。おうちに帰ったらご飯はコシヒカリだし、野菜は朝獲れの野菜だし、お魚をスーパーで買っても新鮮だしと、舌が自動的に肥えていくので。外食ってハレの日なので、外でしか食べられないものを期待するわけで。家で食べられるものを食べたくない。女性って、特にそうじゃないですか。自分で料理する人はなおさら、こんなの自分で作れるしみたいなものだと外食の楽しみがない。また、レストランの面白さっていうのは、完成されたおいしさはもちろん、チャレンジ心や探究心から生み出された料理なんです。次行ったらまた違う出会いがありそうだとか、シェフのクリエイティブな部分に付き合っていきたいというのもありますし。

カメラマンからの「家の前でくるくる回って」とのリクエストに快く応じてくれる雅珠香さんの図。目が回っていたらすみません。

相当なアスリート。

外食は毎日どころか、1日3軒くらい行っています。ある日は、昼にうどんと釜ご飯を食べて、デザートを食べてからの和菓子屋さんに行って。お腹が一杯で、でも夜も行かなければいけなかったので一旦家に帰って寝て、消化してから行きました。昼・昼・夜、カフェ・カフェ・ディナーの日もあれば、昼・夜・夜の時も。フランス料理は最初から最後まで3時間半かかるので、1日1軒の場合もありますね。外食に行かない日は、年に1回あるくらいですかね。余程原稿が立て込んでいる場合は行かない日もあるんですけど、行きたくてうずうずしてくるので、2日行かないってことはないですね。

 

お店さんには、歩いて行っています。だいたい1日1万歩は歩くようにしていますね。走ったりとか、腹筋したりっていう運動は基本しないですが、168センチ、47.5キロをキープしています。体重を目視すると意識が高まるので、1日3回以上体重を測っています。何となく分かんない状態でもやっとしていると人間ダメで。朝全裸で一回測る、夕方ご飯を食べに行く前に測る、寝る前に測る。この3つは確実に行っています。で、その体重を公表する。たまにブログにアップしたりもしますし。夜の体重測定で「あ、今日やってしまったぞ」というときは、ウエストひねりを500回しています。立って、テレビを見ながらウエストをひねるんです。そうすると、翌日きれいに戻ってる。あとは、今もそうですし、歩いている時もそうなんですけど、常に腹筋に力を入れています。すごく代謝が上がるんですよね。体が温まる。

 

私は同じ年代の女の子がお金をかけるところにまったく使ってないんです。例えば美容とかネイル、洋服、削れるところはそぎ落として命を賭けています。それが私の喜びなんです。ありがたいことに、私のひいおばあさんが着物を遺してくれたんで、洋服を買わずに着物を着ています。今日は割といい目の着物ですけど、分かりやすく言うと、食べ歩きの時は町娘Aみたいな着物が多いです。遺してくれた着物はつんつるてんなので、自分でレースを付けてアレンジして着ています。髪型もずっとこのスタイルです。なぜならば自分で切ることができるから。だって、美容院代が高い!なので、ファッションが好きな女性からすると逆転の発想だと思います。

 

弱みも強みに変えられる。

大学生のみなさんへのメッセージ。そうですね、常にいい意味で期待を裏切り続けること、ですね。私の目標でもありますけど、夢という名前の明確な目標を持つことかな。夢はパワーですから。夢はベッドで見ればいいのであって、それが目標でないと意味はないので。講演でもお伝えしていることなんですが、成功への近道は、地道な努力をし続けること。要は、近道はないっていうことですね。あとは、コンプレックスを武器にする強さを身につけることかな。私だってそうです。金なしコネなし。で、それを逆手に取ってキャラクターにしているというか。着物を着ているとか、普通の仕事をしている女の子であれば変わり者と言われるかもしれませんけど。でも、コンプレックスも極めれば職業になる!欠点や自分の弱点も、個性であることだと思うので。

プロフィール

雅珠香(あすか)

 

1982年、穴水町出身。日本フードアナリスト協会認定1級フードアナリスト。金沢を中心に活動する外食専門フードライター。インターネットやTV、新聞などでお店の魅力を発信中。自身で回ったお店を1日1軒紹介しているブログ「あすかりんの恋味敬食(こみにけいしょく)」は、金沢の外食好きな方なら1度はお世話になっているのではないでしょうか。「あすかりんのおいしい金沢」など著書も3冊出ています。ちなみにですが、Person#01で登場する数馬嘉一郎さんは高校の後輩だそうです。

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嗜季金沢市主計町2-10076-282-9840

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築120年以上の町家石川県金沢市野町