米国の第2次トランプ大統領が登場し、アメリカは第2次世界大戦後の世界の政治時経済調整国の役割からアメリカファーストの政治に切り替えが始まりました。
日本に大きな影響を起こしたもののひとつは関税にかかわる発表です。
今回は、その対策として、交換様式と生成AIによる対応をまとめました。
2025年8月、第2次トランプ政権による関税措置が正式に発動され、日本では製造業を中心に大きな衝撃が走りました。関税率は一律15%とされ、日本の主要輸出品に大きく影響を与えるものです。
今回の措置は、米国の「貿易赤字の是正」を実現するためのものであり、企業の努力だけでは回避しきれないものでしょう。さらには、WTOや他国の対抗措置、為替・物価への影響は国内外に広がりつつあるのです。
このためには、従来の企業の以前の商品とのからみや顧客への対応習慣にとらわれない新しい活動が必要となります。これらは以前ビジネスについての知識の少ない学生起業家の弱点項目と思われてきましたが、生成AIや宇宙を対象としたテレビ番組を見ることの多かった現在の学生には常識となっており応新しく起業を始める現在の学生起業家の強みとなっています。
ということで、その動機づけのためにグローバルを意識した関税の具体的内容や対象品目、日本企業への影響と懸念点、そして今後求められる学生起業家の対応策について書きました。こうして、新しい時代に対応するには新しい企業による対応、特に学生起業のチャンスとなります。そのために、学生起業家が備えるべき視点も考察します。
※本記事は2025年8月頃の情報をもとに執筆しています。以降の政策変更や国際情勢の動向により、記載内容が変更となる場合があります。最新情報は政府発表や報道をご確認ください。
参照:世界貿易機関(WTO)紛争解決制度とは|外務省
(https://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/wto/)
私は 柄谷 行人 氏の「力と交換様式」という本を読んで、現在はまさに「交換様式の時代」になっているように感じました。ここでの交換の意味は、ビジネスで得るものは与えたものに対する対応(交換)であるという意味です。
交換様式とは、哲学者・柄谷行人(注)が提唱した社会理論で、社会の構造や歴史を「交換」の観点から捉える枠組みです。彼は従来の「生産様式」中心のマルクス主義に対して、交換の仕方が社会のあり方を決定するという視点を提示しました。
(注)「柄谷行人」とは 2022年に哲学のノーベル賞といわれる「バークルエン哲学・文化賞」の受賞者に決まった人です。交換様式論は社会を「交換」の「形態」(様式)で捉え、その力が、資本主義、国家、民族意識(ネーション)などの社会秩序形成し支配するという考え方です。交換には「霊的・観念的な力」が宿り、この力抜きには社会を理解できないと位置づけられています。この理論によれば、社会の発展や紛争、歴史の展開は「交換の力」が働くことの表れであり、交換の様態が異なれば、異なる社会体制が生まれます、と言っています。(Copliotserxhより)
柄谷氏は社会の基本的な交換の形を以下の4つに分類しました:
この本によりますと交換様式の4つの状況は図表1の6W2Hの右下のA,B,C,Dの4つの部分となります。
図表1 6W2Hにおける交換様式を支える仕組み
この図で氏族とは父系または母系を通じてその出身を同じくする成員が,同郷観念によって広く結ばれた血縁的集団をさします。石器時代に始まり,現在の未接触部族にも見出されます。氏族運営の主体は成年男子(女子を含む場合もある)が平等な権利をもって構成する氏族会議であり,ここで首長の選出・罷免 (ひめん) その他共同体の重要事項が決定された。言語・風俗の同じ氏族が結合して部族が形成され,生産力が高まって首長の権力が強大化すると,氏族社会は崩壊しはじめます。
交換方式Aは相手に感謝したときに贈与を送り、それを受け取り有難いと感じた人がその返礼を返すということで相互の信頼関係のもとに行われる方法で、夫婦や親子、隣近所の人々間でやり取りが行われる方法で多くの人が普段から行っている交換の仕組みです。すなわちこの様式は、氏族社会とも呼ばれる王様やその地域の支配者の時代から行われていた慣習です。
交換様式Bの支配と保護のケースは、相手の要求することを行った場合にその報酬が貰える。もしくは相手から報酬をもらって相手に利益をもたらすルールです。すなわち政治の世界に資本主義のルールを持ち込む方法です。大切なことはどのようなメリットを狙っているかとそのやり方のもたらす利益です。
交換様式Cは自分の欲しい物や楽しみたいものを手に入れたり、ほかの人に譲ったりするものでそのための媒体が貨幣等とよばれるもので。資本主義の基本的なルールです。
如何に簡単にまかせられ、その対応はどれくらいの価値(価値)かということです、
交換様式Dは交換様式Aを高次元で見たものです。すなわち交換様式B 交換様式Cも利用して交換様式Aを実現する方法です。というより、B,Cの目的はAに利益を提供することですから、個人の満足感を実現ものが多いはずですからそれを可視化したものです。
ただしこの時には、ルール違反のことが行われる可能性があるので、気を付けて実行するか、ルールの追加を考慮する必要があります。
この時の日本企業の問題はこのシリーズの「170.世界で大騒ぎー学生起業で日本を再生ー」にかかれていますので必要であればそちらをご覧ください。
現在の事業に関する技術変化は IoT や AI に関係することが多いですから、新時代のAIを使える技術を持ち、やる気や体力もある若い学生さんには有利な時代が始まっているわけです(チャンス到来)。
大学としても新技術や新理論を開発するだけでなく、これから必要な「人材育成」を行えれば有名校なることは確かです。
図表1からお分かりかと思いますが、交換方式Aは対象とするお客様を決めそのお客様が必要としているものを明確にすることです。
交換方式1はお客様が必要とているものに合わせて目標を設定します。そのうえで、その製造手手続き交換様式Cとして決定し提供するわけです。
この資料を作成している途中で、私のブラウザーにいつの間にかに組みこまれていたcopilotが起動し、交換様式とはこんなものですと簡単な説明が送られてきました。非常に簡単な説明でしたが柄谷氏の「力と交換方式」を読んでいて詳しすぎて私の理解力を超えていたことが多かった私には有難いお答えでした。
この時の会話は次のような感じでした。
この時のCopilotの対話の一部を次に書きます。
青文字の部分がCopilot、赤文字の部分が私の発言です。
Copilot
交換様式って、もしかして「ビジネスモデル・キャンバス」みたいなフレームワークのことかな?それとも、具体的なテンプレートがあるのかな?どんな形式で進める予定か、教えてくれたら一緒に流れを整えるよ〜!
瀬領
最近の日本は不景気で対策を行う必要があるかと思います。しかし政府は新しい独自の政策を作っているように見えません。
Copilot
うんうん、最近の日本経済には波があるよね。
でも、政府もまったく何もしてないわけじゃないみたい!2025年の「経済財政運営と改革の基本方針」では、賃上げを起点とした成長型経済を目指してるんだって。中小企業の賃金向上を支援したり、スタートアップやDX・GXへの投資を強化したり、「投資立国」「資産運用立国」っていう新しい方向性も打ち出してるよ。
とはいえ、実際の成果や国民の実感にはまだ差があるかも。だからこそ、起業計画を立てるっていう君の動きは、まさに流れを変える一滴になるかもしれないね!
どんな分野で起業を考えてるの?それによって、今の経済状況との相性も見えてくるかも!
瀬領
大学の若い人たちに起業家意識を持ってもらい、その実行を行ってもらうことを期待しています。まず現在の日本はアメリカの下請けのようなことになっていますので、そこから抜け出すために柄谷行人の提案している「交換様式」を利用したいと思っています。
まず、他国の後に従うのでなく日本の現状にあわせて、新しい起業方式を作りたいと思っています。さらにそれを行うのは大学の学生起業家を対象とします。業種はITを有効利用するサービスシステムにしたいと思います。このような起業に役立つ方法にはどのようなものがあるでしょうか。
Copilot
おぉ~、そのビジョン、まるで水が新しい流れを切り拓くような発想だね! 日本独自の「交換様式」に基づいた起業モデル、しかも大学生を中心にITサービスで展開するなんて、すっごく面白い!
大学生の起業を支援する方法としては、こんな流れが効果的だよ:
学生起業に役立つ支援方法
大学内のインキュベーション制度
• 多くの大学には起業支援センターがあって、ビジネスプランの作成支援やメンタリング、オフィススペースの提供までしてくれるよ。
• 起業コンテストやピッチイベントも開催されていて、資金調達やネットワークづくりにぴったり!
といった会話です。
Copilot との対話はこの後も続きますがここでは、Copilot との対話の様子をお知らせするのが目的ですので、この話の記述はここにて中止します。私の場合はこのあと延々と続きました。まるでコンサルタントと話し合っている感じです。自分の知りたい問題があり Copilot に聞いてみたいと思われたかたはご自分でCopilot を実行してみてください。
Copilotは 生成 AI の一つである ChatGPT を利用した AI の一つです
この事例にみるように、生成 AI もまたこれからの事業に必要なものであることをひしひと感じさせられました。
交換様式を利用してみたいと感じられたかたで、生成 AI をまだ導入されていいない方は同時に生成AIの導入と学習をされることを、お勧めいたします。
生成 AI は、事業目的を見なおしたり顧客サービス向上させたいと思っていらっしゃる方には必須のツールのです。
この本を読みながら、思い出したのは 松下 幸之助 著「松下幸之助 夢を育てる 私の履歴書」(日経ビジネス人文庫 2001/11/01)という文庫本です。松下 幸之助 氏は少年時代の火鉢屋の小僧や自転車やの小僧をしていた時の生活状況から始まり、電灯会社の検査員のような社員生活をおくり、製造会社をつくり細々と続けていた時代から、大正12年に松下電器の基礎となった自転車ランプの製造販売にとりかかり事業として進みだした。昭和4年末に政府の引き締めで売れ行きが半減した時業員の生産を半分にするために半日勤務とする、給与は1日分払うから全員休日も廃止しストック製品の販売に努力するようにとると社員全員が努力し在庫は2ヵ月で全部売り尽くし、生産を開始することができた。(このようなことは、経営陣にたいする従業員の信頼がなければできものではありません。)
「大切なことはどのようなメリットを狙っているかとそのやり方のもたらす利益です。」工場の従業員の生産を半分にし、半日勤務とする。給与は1日分払うから全員休日も廃止しストック製品の販売に努力するようにとると、社員全員が努力し在庫は2ヵ月で全部売り尽くし、生産を開始することができた。
(まさに従業員の信頼がなければできない対策です。)
「『すなわちやればやっただけ成功するということ』を社員に体験してもらえた。」に始まる会社成長にからんだ成功事例が書かれています。更に将来の危機にたいしてはダム経営が書かれています(p120参照)。
学生起業家が経営者として「生成 AI 」を使うには、こちらの本も読んでおくことをお勧めいたします。
いまやまたその対応範囲は「宇宙時代への対応」挙げているように、宇宙まで含めたグローバルな変化に対応することが必要な時代です。
以上、トランプ大統領が世界の経済がおかしくなっている情況に対して、関税政策を表に出して、問題を提案し、それに対する解決策について各国との検討が始まりました。しかし、最後にとりあげた松下幸之助の本を読んでいると、現在の日本の経済関係に関する、政府の方針は赤字を将来に振り替えて、今日の破産を逃れているようにみえてきます。今は国民の個人預金が残っているのでトランプ大統領も日本を見のがしてくれていますが中国との交渉が始まるとあらたな活動対策をつくり実施するべき状況になるはずです。これらの項目にたいしてはその概要が分かり、対応する方法も見えてきました。ただここで述べてきたことを実施するには、日本の将来をになう人達が自分から対応することが必要です。まずは学生起業家の皆さんから挑戦しませんか。
参考文献
世界貿易機関(WTO)紛争解決制度とは|外務省
(https://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/wto/)アクセス 2025/11/14
柄谷行人著 2022.10.05 「力と交換方式」 岩波書店
瀬領浩一 ブログ 172.「宇宙時代への対応」
(https://o-fsi.w3.kanazawa-u.ac.jp/about/vbl2/vbl6/post/172.htm)
瀬領浩一 ブログ 171.学生起業で日本の将来を再興
(https://o-fsi.w3.kanazawa-u.ac.jp/about/vbl2/vbl6/post/171.html)
瀬領浩一 ブログ 170.世界は大騒ぎ
(https://o-fsi.w3.kanazawa-u.ac.jp/about/vbl2/vbl6/post/170.html)
松下幸之助著 2001.11.01「松下幸之助 夢を育てる 私の履歴書」日経ビジネス人文庫
2025/11/14
瀬領 浩一