金沢大学能登学舎

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珠洲でも田植えが進んでいます

珠洲市内を移動していると、あちこちで田植えが進んでいる様子を目にします。谷内田に拡がる水田の景色は、私が好きな珠洲の景観の一つです。

珠洲市内の里地里山は、環境省の「生物多様性保全上重要な里地里山(略称「重要里地里山」)」に選定されています。

環境省のHPによると、選定理由は

「能登半島突端に位置し、稲作のために作られた多数のため池、アカマツやコナラを中心とした二次林など里地里山里海に囲まれた地域である。谷内田で稲作が行われてきた地域であり、地域内のため池群がネットワークのように繋がることで、多数の希少種を含む多様な水生生物群を保持している。また、雁の池を中心にガン・ハクチョウ類の越冬地となっており、豊かな里地里山生態系のシンボルとなる猛禽類の生息も確認されている。」 とされており、里地里山は、長い時間をかけて人々が自然と寄り添いながらつくりあげてきた自然環境ということも書かれています。

世界農業遺産「能登の里山里海」情報ポータルにも、「里山は、集落、農地、それらを取り巻く二次林、人工林、採草地、竹林、ため池などがモザイク状に組み合わさって形成され、人が適度に利用することで、豊かな自然が形成・維持されてきた地域です。」と定義されています。

上記の定義をみると、「人」の営みによってつくりあげられるものが里地里山の景観と言えます。田植えが進む様子は、脈々と受け継がれてきた人の営みを垣間見ているような気がします。

(金沢大学先端科学・社会共創推進機構研究員 須田)