こんにちは。この度は、来る11月9日(土曜日)に旧・小泊保育所(石川県珠洲市三崎町小泊17-33-1)にて開催致しますイベントをお知らせ致します。
「能登里山里海SDGsマイスタープログラム」2024年度の受講プログラムの中で、9月より始まったゼミ活動。4つに分かれたゼミの内の私たち「山本ゼミ」チームは、県内・県外出身者、職業や得意分野も多種多様なメンバー6名で構成されており、奥能登国際芸術祭の出品アーティスト・山本基さんが講師を務めています。
たび重なる自然災害にも、絶える事なく継続されるマイスタープログラム。今年度の全体テーマには「アート」が掲げられています。
多くの人は「(美術)作品」を前にすると、特別なものとしてただ何となく眺めるだけで終わってしまったり、あまりに自由な表現とどう向き合えばいいか戸惑ったりすることも多くはないでしょうか。ですが、そうした型にはめようとせずにもっと自由に感じたり、実は身近な日々の生活の中にも存在するアートと積極的に関わりを持つことで、 アートを通して人々が繋がったり、共に問題を考えたり、対話を深めるきっかけになるのではと私たちは考えました。
プログラム初日に保育所を訪れた私たちは、能登半島地震で倒壊した山本さんの作品「記憶の回廊」を目にし、言葉を失いました。
以前、芸術祭でこの作品を実際に見ていたメンバーと、初めてその姿を目にしたメンバーでは、それぞれ驚きや感動、戸惑いなど、異なる感想を抱きました。
湧き上がる感情を整理し、自分の気持ちや周囲の状況を言葉にすることで活動の方向性を見出していきましたが、ようやく互いの思いがまとまったのは、能登が豪雨に見舞われた後のことです。
今回のワンデイ・オープン・ミュージアムには、3つのテーマがあります。
ひとつ目は「記憶を記録する」ことです。旧小泊保育所と山本さんの作品の過去、現在、そして未来を感じる体験の場を提案します。
2つ目は「記憶を持ち帰る」こと。倒壊した作品の一部である塩の結晶を使ってアクセサリーを作り、それを持ち帰っていただくことで、大切な何かと皆さんがつながるきっかけになることを願っています。
そして3つ目は「記憶を言葉に紡ぐ」。これまで言葉にできなかった感情を言葉にし共有することで、未来への希望を見出したいと考えています。
お越しくださった皆さまにとって、この1日が小さくとも特別な場所や存在として、心に残るものになること、そして何より、この試みが皆さまにとって穏やかで幸せな気持ちをもたらしますよう願いを込めて。
皆様のご来場、心よりお待ち申し上げております。
金沢大学能登里山里海SDGsマイスタープログラム・2024年度 山本ゼミ一同