人と地域のWEBマガジン ISHIKAWA DRAWER

Kazuhiro Senda

株式会社ルバンシュ 代表取締役
千田 和弘

Credo
#01
2016.12.19

Introduction

株式会社ルバンシュは、「食べられる化粧品」をコンセプトに、お肌にやさしい無添加化粧品を製造する基礎化粧品メーカーです。優しい笑顔で約20名の社員を率いる、千田社長のクレドをお伺いしました。

Q.1

御社のクレド(信条・行動規範)、教えてください。

これは、社是として月に一度の朝礼の場で読んでいるものです。「なかまで」という言葉には、「中まで」と「仲間で」の2つの意味がかかっていて、人を大切にするというモットーを表しています。「人」というのは、お客様はもちろんですが、社員一人ひとりのことでもあります。うちはメーカーですから、製造業が土台。どうしても製造部の残業時間が多くなってしまいがちなんです。だから製造部以外の人間でもみんなが率先して製造を手伝う。研究機能も工場も同じ会社の中にある、小さい会社だからできることです。そんな風にして、少しでも残業時間を減らす工夫をしています。今、一人あたりの月の残業時間を平均すると7.5時間程度。1日に換算すると30分くらいですね。有給取得率も76%と、働きやすい環境づくりを心がけています。

社員同士みんな仲が良くて、業務時間外に集まることもありますね。月1で定時後に「美容塾」というのを行っていて、各々が調べた美容や健康に関する知識を交換したり、その後に食事会をしたり。11月8日の創立記念日には、みんなでお寿司を食べるのが毎年の恒例行事。片町にぼくの好きなお寿司屋さんがあって、そのお店に会社まで来てもらって目の前で握ってもらうんです。もう、みんな大喜び。ぼくも楽しみにしています。ほら、お寿司も化粧品製造も鮮度が大事!って…ちょっと無理矢理かな(笑)

Q.2

「働く」って、なんですか?

うちは人数が少ないので、それぞれ自分が担当する仕事の責任者、スペシャリストであるという意識を持ってもらうために役割を細分化しています。ひとり1つは「自分にしかわからない」という仕事を持っているので、必要以上に上下関係を感じることなく、自分のやりたい仕事ができているんじゃないかな。また、年に1回ですが1年の振り返りをして、現状の仕事の満足度を確認してもらいます。もし他の部署に行きたいということであればその希望を叶える場合もあります。実際に製造から研究の部署に変わった社員もいますよ。

会社としては、利益をしっかり出して、税金を納めて社会に還元する。これができて初めて存在意義があると考えています。今から4年前に、社員一人ひとりの実力を数字で見せようという話をしたんです。そこで、会社で出した利益を社員数で割って、一人あたりの利益額を計算してみました。そうしたら、上場企業をはじめ、大手有名企業と比較してもうちが業界でトップだった。それを書面にしてみんなに配ったんですが、それだけではなくて、国の借金がいくらあって、税金をいくら払ったのかということも合わせて記載したんです。国、石川県、能美市、その3つが抱えている借金を明示して。一人ひとりが納めている税金額を比べても、大手化粧品メーカーの従業員よりも君たちの方が多いのだと伝えました。ですから、働くことが社会貢献につながるというのは社員もよく理解していると思っています。

Q.3

いしかわで働く意義って、なんですか?

ぼくは生まれも育ちも石川県で、高校を出てから福井で働いた1年間以外は、ずっと県内で生活してきました。ですからこの場所で会社を興して働くということは、この街への「恩返し」ということになります。海も山もあり、豊かな風土の石川県には、化粧品製造の観点で見ても、魅力的な素材がたくさん。加賀の太きゅうりを使ったハンドクリームを開発したり、能登のラベンダーやブルーベリーなど、地物野菜を積極的に取り入れています。そうすることで地元の農家さんへの貢献にもなりますし、われわれとしても商品の差別化を図ることができます。

当社は能美市の山沿いにあるのですが、ここは金沢と比べても空気がとてもきれいなんです。朝、車から降りて駐車場から会社の玄関まで歩くだけでも気持ちが良くて。カモシカやタヌキや野生のウサギなんかも見られますよ。一般的な製造工場には窓がなく、壁に囲まれた閉鎖的な場所で作業をしなければいけないのですが、うちの工場にはガラス窓を数多く設置しています。工場の中から木々の緑や、冬であれば雪景色を見えるようにするためです。製造は毎日同じつくり方で決まったことを繰り返しやらないといけない、ストレスの溜まりやすい職場です。せっかく自然に恵まれた環境で働いているのだから、それらを見て少しでもリラックスしてくれればと思っています。

Q.4

休日の過ごし方、教えてください。

午前中は家でのんびり家族と過ごして、昼から会社で仕事を少しして、夕方になったらスポーツジムに行って帰る。ジムに行くといっても、水着に着替えて、プールで泳がずにサウナに行ったりとか(笑)そういうゆる~い感じ。そうそう、ぼくと同じジムに行ってる子もいるんですよ。あるときそのジムで1ヶ月集中ダイエットというのを行っていて、ぼくがそれで4キロぐらい減量したんです。1ヶ月で10万円かかるんですけれど。それをある社員に話したら「私も行ってみたいけど、10万も出せないし」と言うので、上限を10万円と決めて、「1%ダウンするごとにご褒美で1万あげるよ」って言っちゃったんです。だって、10%っていったら、50キロの子が1ヶ月で5キロ落とさなくちゃいけない。だから、まさか10%はないだろうって。そしたらホントに10%減量して、ぼくから10万円もぎ取っていったの。信じられる?(笑)彼女もそのジムに入会して、今じゃぼくより熱心に通っていますよ。普通は社長が同じジムにいたら嫌だと思うんだけど、うちは全然。社員とはそういう間柄ですね。

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  • 「心のなかまで、イキイキと」を華麗なジャンプで表現してくださいました!
  • 研究室の窓からは山間の風景が広がり、開放的な眺めで束の間のリラックス。
  • 「これで大丈夫かな?」一文字ずつ丁寧にクレドを書いてくださった千田社長。
  • 社員のみなさんの笑顔があふれる、和気あいあいとした雰囲気。
  • 繊細な作業の積み重ねによって、多くの人に愛される化粧品ができあがります。
  • 「経営も透明にしたい」との思いで、社内の壁はほとんどがガラス張りだそう。