特許マメ知識
このページでは、大学発特許に関連して ぜひ知っておいてほしい豆知識などをQ&A形式で掲載しています。
学生の発明の取扱いについて教えてください。
学生は、教職員と異なり大学と雇用関係にありません。そのため、本学では「職務発明取扱規程」とは別に「学生等発明取扱規程」を定めて、学生の発明に本学の教育研究プログラム又は施設・設備等が一定の寄与をしているものについて規定しています。
教職員より届け出られた発明の共同発明者に学生が含まれる場合は、出願が決定した段階で、特許を受ける権利の譲渡について、学生本人へ説明を行います。大学に権利が譲渡された場合、特許権登録後の補償は「職務発明補償金支払規程」に基づき行われます。
発明相談は研究のどの段階で行うべきでしょうか?
いつでも御相談いただけます。相談内容に応じて、ヒアリングや相談会(弁理士等知的財産の専門家の同席)を実施し、今後の研究の進め方、届出・出願のタイミングを検討します。
国内優先権制度について教えてください。
特許法第41条に定められる国内優先権制度は、先の出願から1年以内であれば、国内優先権を主張して出願内容を補充した新たな出願ができる制度です。審査の基準日が先の出願の日まで遡るため、出願を急いだためにデータの裏付けが不十分であった場合でも、より強い権利を持つ特許を得るために効果的に利用できます。
但し、優先権主張の際は、先の出願以降に公の場で発表された当該出願に関する内容に十分に注意する必要があります。
「ラボノート」とはどのようなものですか?
「ラボノート」とは、研究・実験過程を記録するノートのことです。別名、研究ノート・実験ノートとも呼ばれています。アメリカが先願主義に移行した後も、特許訴訟の場における発明者特定の立証に利用されるなど重要視されています。
- ☆ラボノート作成の注意点
- (1)日付の記入
- (2)サインの記入
- (3)各頁の切離し不可のもの
特許法上の発明者とは、どのように規定されていますか?
現行の特許法では、発明者について明記されてはいません。しかし、過去の判例を参考に発明者を定義すると、大学では下記の点に特に注意しなくてはなりません。
- 1. 論文発表者が必ずしも発明者とは限りません。
- 2. 研究テーマの示唆・一般的な助言指導≠発明行為
- 3. 単なる補助者や後援者≠発明者
特許訴訟の場で発明者の特定が争点となり、特許権が取り消される可能性もあります。こうした争いを未然に防ぐためにも「ラボノート」を作成し、発明者を明記することが必要です。